何と言うことは無い一日。何と言うことは無い日常。
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生まれて初めてのお家を訪ねるのだ。
『緊張するな』
と、言う方が無理だ。
大体、やっぱり、落ち葉を踏み踏み、俊朗は、考えるのだ。
何故、こんな事になってしまったのだろう。
澄んだ青空の下、落葉松の木々が、両側に続く、一本の細い道。
其処は、緩い上り坂になっていて、
これから、向かう場所が、徐々に、顔を覗かせるようになっている。
もう、見えて来ている、白亜の建物、あれが、そうだろう。
俊朗は楽しみだった。
館には、どんな人が住んでいるのだろう。
どんな風に出迎えてくれるのだろうか、彼を。
「まさか、用件も聞かないで、目の前で家の扉を、バタン、とか、閉めてしまわないよね。」
俊朗は独りごちた。
この間、そんな場面を、彼はテレビで見た。
まさしく、バタン、だった。表情も変えないで、その、大きな古い屋敷の住人は言うのだ。
『お帰りなさい。』
って。
『緊張するな』
と、言う方が無理だ。
大体、やっぱり、落ち葉を踏み踏み、俊朗は、考えるのだ。
何故、こんな事になってしまったのだろう。
澄んだ青空の下、落葉松の木々が、両側に続く、一本の細い道。
其処は、緩い上り坂になっていて、
これから、向かう場所が、徐々に、顔を覗かせるようになっている。
もう、見えて来ている、白亜の建物、あれが、そうだろう。
俊朗は楽しみだった。
館には、どんな人が住んでいるのだろう。
どんな風に出迎えてくれるのだろうか、彼を。
「まさか、用件も聞かないで、目の前で家の扉を、バタン、とか、閉めてしまわないよね。」
俊朗は独りごちた。
この間、そんな場面を、彼はテレビで見た。
まさしく、バタン、だった。表情も変えないで、その、大きな古い屋敷の住人は言うのだ。
『お帰りなさい。』
って。
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あの子は、
飛行機雲を追いかけて行ったよ。
どうして。なんて、聞いちゃいけない。
ただ、追いかけて行ったのさ。本当に。
足が速いね。飛行機雲は。
もう、行っちゃったよ。
燃料は何だろうね?飛行機のさ。
エンジンは、何型って言うんだろうね。
飛行機のだってば。
あの子の好きな花は、何だって?
帰って来たら、本人に聞きなよ。
ラークスパーって、花が、在ったよねえ。
綺麗な青い花さ。風が吹いたら、揺れるのさ。
でもねえ。
入道雲と、五色の雲にはかないやしない。
泣かないどくれよ。
あの子に何か有ったみたいじゃないか。
追いかけるのに、飽きはしない。
追いかけ続けるのに、決して、疲れきりなぞはしない。
何せ相手は、
飛行機雲じゃないか。
いい天気だよねえ。
本当にさ・・・・・。
ラークスパーの、うん、花だよ。
日本語名、思い出したよ。
”飛燕草”って、云うのさ。
こんな日はきっと、洗濯物が良く乾くよ。
真上から見たら、大空を飛ぶ者達から見たら、
沢山の、それは沢山の、白い旗が翻って見えるってさ。
あの子かい?飛行機雲が、大好きだったよ。
子供の頃から、ずっと、ね。ずっと、さ・・・・。
さあてね。あの雲が、もうちょい、頭の真上に来たら、
夕飯の用意をやりに、行こうかね。
それまで、もう少し、この、揺り椅子で、こうして、空を、
見上げていることに、しようよ。
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