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何と言うことは無い一日。何と言うことは無い日常。
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弥生の空に降る雪は、やがて、花びらへと成り代わる。
弥生の空に見たものは、いずれ、春の陽炎に消えて行く。
鐘の音が聞こえるか。時は来た。
今こそ、この季節。
万物生まれ変わる時節に。
皆、喜びの声を上げている。
冬は悲しい幽霊。
けれど、大地は覚えている。
寂しい、言葉すらも凝った季節を。
誰もと同じに、憶えている。
記憶は未だ、鮮やかだ。
今。芽を出した草木の様に。
徐々に朱に染まる蕾の様に。
霧になり霞になって、諸々の上に、降りかかる。
冬の言葉を忘れさせ、春の歌を歌うために、
私たちは、寒さと悲しみを耐えて来たのだ。

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