何と言うことは無い一日。何と言うことは無い日常。
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もう戻れない5のお題より
牧草を、食べる家畜の為の、
牧草を育てる場所なのだと、随分後で知りました。
拡がる緑は、子供の目には、海のよう。
風もさやさや鳴っています。
狭い道路をとことこと、たった三年、通った小学校へと歩きます。
一緒に通った仲間もいた筈なのに、何故かあの日は一人でした。
ひらひらと、目の前を、小さなものが、飛び交います。
表がグレーで、裏が青。
綺麗で、ちっちゃな蝶々でした。
表がグレーで裏が青で。
見分けられた己の目が、幼心に、何だか、誇らしく。
蝶々も学校に行きたいのかと。
真新しいランドセルを、かたかた揺らして見せるのでした。
シジミチョウと言うのだと、随分後で、知ったのでした。
幼い日の想い出は、色彩鮮やかな、アゲハチョウよりも、シジミチョウ。
今も、彼らの姿を見る度に、遠いあの日から、あの牧草地帯の緑の波。
幾度かきわけて、来たのでしょう。何度、青空、見上げて来たのでしょう。
空は、何にも、応えてはくれないのですけれど。
何故か、笑っておられる、そんな気がするのでした。
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