卯月は

花の中
花が降り頻る中で
こちらに背を向けて
去って行く人がいる
花の降り注ぐ中を
こなたへと手を延べて
歩いて来る人が見える
いずれも同じ花の中
悲しみに悲しみに
胸ふたがれて
今も尚
声も出ない程に
冬の凍て付く寒さの記憶を
持ち続けている　としても
私は言おう
“こんにちは。新しい季節よ。”
ようこそ。春四月
花の季節よ。
季節を旅する旅人もまた
花になるのだろう。
歩き続ける為に。

春雷

とことこと。

花が叩く。

僕の窓を。

還って来たわ。

あるいは、

ここにいるよって。

花が叩く。

僕の扉を。

天のろくろ

ごとごとと、ごとごとと、

ろくろが回る。尽きる事無く、泉のように。

我々は、破壊されて行くのか、

それとも、

形作られて行くのか・・・・・？！

天津風の下で

天津風よ

国津風よ

祈り奉らん

大空の　平穏を

愛する人を　守りたまえ

わが心にも　背かぬように

全ての姿と魂　光と影を　

真っ直ぐに

良い風を吹かしめんことを

守りたまえ

ここ　全ての青い空をみそなわす場所

白い雲を　生まれさせる場所で

かなえたまえ