椿

どんな花でも、どきりとする瞬間が有る。

どんな人間にも、意外だと思う（本人を含めて）側面が有るように。

博物館の裏側。強い風の中で。ゆれる八重の椿。

花咲くだけで、どんな自己主張よりも強い香りを放つ。

買い物の風景

ある日の会話

　私：「牛乳って、“牛乳”と表示が書いてあるのが一番だよね。」

　母：「“成分調整牛乳”と、表示が有るのも、今度、買ってみたら？」

　私：「え?!…でも、フルーチェが作れなくなると困るし・・・ごもごもごも。」

　母：「何事も、やってみないと、わからないでしょう？」

　私：「そりゃ、まあ、ね・・・・。」

　　　それからほどなく。我が家の冷蔵庫に箱の横合いに“成分調整牛乳”の表示の有る、牛乳１ℓパックがお目見え。

数日後。

　母を歯科医まで迎えに行った帰り。スーパーマーケット（大量販店系）に寄る。
　牛乳売り場に差し掛かる。
　慣れている私。素早く眼を走らせ（？）。

　私：（あ、“牛乳”と表示が有る。安い←ここが肝心。残り少ない←後で思うとこれが、決め手だった、とか?!）牛乳かあ・・・・。（我ながら、何が言いたいんだろう?!）

　母：賞味期限がねえ・・・。

　私：うん。（立ち去ろうとするが、何か、一緒に歩いている人つまり母が立ち去りがたそうにしているのに気付く）でも、まだ、有るでしょう（冷蔵庫の中に。）？

　母：いや、残り少ないし・・・・（１ℓでも、そりゃ、呑めば、なくなります。）。

　私：・・・・そう?!

結局、買う。買い物籠の中に入れる。

　賞味期限が、今有る牛乳（成分調整済）より、早かったり（一日）しますが、これで、良かったんですね、
　お母さん?!

呟き

そばにいながら、気付かなかった事。

考えた事。　

思った事。

ネコヤナギ

あなたのお部屋にも春を。